060610 交流集会
九条の会 全国交流集会
2006年6月10日(土) 11:00〜16:30
日本青年館(神宮外苑・国立霞ヶ丘競技場 横)
6月10日は「九条の会」が発足した日。二周年を記念して「全国交流集会」が開かれた。この日までに結成されたのは5174団体。その中から先着順の申し込みに間に合った団体の代表、1700名超が集う。
連絡会からは共同代表と事務局長の4名が参加。市原からは他に「国分寺台九条の会」から2名が参加。 以下は、報告。
●全体会 11:00〜12:30
第1部 九条の会・呼びかけ人 連帯のあいさつ
三木 睦子
鶴見 俊輔
澤地 久枝
「声を上げない国民をつくりあげているのはマスコミの犯罪だ」
加藤 周一
小田 実
改憲勢力でも、戦前の古い日本に戻ろうと考える人は少ない。自衛隊を憲法で軍と規定し、それによって自衛隊の活動を統制しようと考えている。だがそうだろうか? 軍隊でない今でも文民統制に復しているとは言えない。活動範囲が広がり、力をつけている。軍隊と認められれば、もっと一人歩きし、文民が統制できなくなるのではないか、わたしはそう思う。だから今は、理想的なことが最も現実的なのだ。
日本は戦争のできる国か? 石油だって、食料だって、みんな輸入に頼っているじゃないか? そんな状態で戦争できるのか? だがらいま、理想的なことが最も現実的なのだ。
大江健三郎
* 井上ひさし、梅原猛、奥平康弘は欠席、理由の説明はなし。
最高齢89歳の三木さんは「お若い方々がこんなに集まって…」という。彼女からみればみんな若者だ。澤地さん、市原での講演依頼の際には「体力の限界、わたしを殺さないで」といって断ったそうだが、両隣の鶴見氏、加藤氏にボトルの水を注ぐなどの世話を焼いていた。「声を上げない国民を…」と気炎をあげ、大きな喝采を浴びた。まだまだ元気なのになぁ! とにかく女性は強い。

第2部 各地の会からの活動報告
(1)阿賀野九条の会(水原町などが合併した新潟県阿賀野市)
合併前の町村の首長や教育長がみな呼びかけ人となっている。報告に立った事務局長も元教育長とのこと。
保守層だって九条改憲には反対している。
(2)松戸小金原九条の会
主婦たちが電話帳をたよりに医師や宗教者を訪ね歩き、呼びかけ人を集める。
(3)大学人・沖縄九条の会
ご存じ高良教授が例のスタイルで登場。九条改憲をボウシすると、洒落てみせた。国会内では傍聴の際、われわれは帽子を脱がなければらならない。貴族院時代の規制がいまだに生きている。彼は、国会内で帽子を脱がなくてもよいときが来るまで帽子をとらないと誓ったのだ。
(4)夕陽丘高校九条の会(大阪府立高校の教員)
報告に立ったのは、全教所属の若い女性教員。日教組員にも働きかけて結成。
いまの学校は忙しい。昼休みに食事をかき込みながら会合をもつ。「おかしいなと思ったことを素直に口に出せる雰囲気を大切にしたい」と語る。
(5)横須賀市民九条の会
首相の地元。6人に1人の割合で自衛隊・米軍ドック従業員など軍関係者に突き当たる。市の人口42万人のところ、会員数は700人超。市内を12地域に区切って、それぞれが連携しあって活動している。
●分散集会 13:30〜16:30
第8分散会 (司会:映画人九条の会・太田九条の会) 中ホール 275名
(1)吉川九条の会(埼玉県吉川市)
(2)念仏者九条の会
報告者は広島県福山市在住だが、会員は全国に散らばる。
(3)茅ヶ崎九条の会(神奈川県)
(4)稲田・徳間九条の会(長野市内)
(5)三川九条の会(山形県)
(6)堺九条の会(大阪府)
(7)大田九条の会(東京都大田区)
(8)沖縄女性九条の会
男性中心の会では言いたいことも言えないのであらためて結成。
わたしの隣席の札幌の保母さんは、札幌では女性が意気盛んで、「男性よ、シッカリせよ」と叱咤したい気分だという。
(9)国分寺九条の会(東京都国分寺市)
(10)白老九条の会(北海道白老町の教員)
(11)京筑九条の会(福岡県苅田町付近を含む地域)
(12)斗南九条の会(盛岡市斗南地区)
(13)我孫子九条の会(千葉県)
(14)古川九条の会(宮城県古川市、合併により大崎市)
吉野作造の出身地であることと、出身地であるが故の取り組みを誇る。
(15)尾張旭九条の会
A4版のポスターを各戸・事業所に掲示してもらう運動を展開。
(16)室蘭工大九条の会
教職員・学生・市民がメンバー。運動を大学から町へ広げることをめざす。登壇したのはパラグライダー部の女子学生。初々しいけど堂々としゃべった。報告後は、取材者が大勢集まった。ピンぼけでゴメン。

<10分の休憩>
(17)佐賀高校教員退職者九条の会
(18)那須野ケ原九条の会(栃木県那須地域)
イベント案内を町内会の回覧板でまわそうとし、町会長に協力を求める。80町会で実現。陸上自衛隊元幕僚長の町会長も回覧を承諾。
(19)和歌山県民九条の会
(20)世田谷九条の会
第九条の「群読」のあとは、合唱曲をつくる予定。多彩な文化人がいる強み。
(21)日本福祉大学学生九条の会
全国交流集会に出たいので、大学の会から独立して急きょ結成。OBにも門戸を開き、卒業生も参加しているが、高校教員が生徒会に対するように「指導してくれる」そうな。
(22)損保九条の会(損害保険業界の退職者たち。業界としては初の試み)
戦中は戦争保険に加入させ、国民に多大の損害を与えた。損害保険と戦争とは決して両立し得ない。現役たちは、労組を分裂させられ、苦しい状況にあるが、企業別に、主要都市にも会を作りたい。
「経営者九条の会」をつくることができるか? というときに、損保の例が取り上げられる。業界紙がリードしたらしい。
(23)四日市九条の会
@九条を守ろうと言うけれど、沖縄には九条は「適用」さえされていない。
A「国民」投票というけれど、200万人を越える在日コリアンを排除したままでよいのか。
B九条の会を己の組織のように言及する政党には、そのやり方をあらためてほしい。
(24)広島九条の会
(25)香川高校教員退職者九条の会
(26)諫早九条の会
(27)新潟大学九条の会
(28)相楽九条の会(京都府相楽郡、奈良県境一帯)
「息子や孫を戦場に送りたいのか」が決め台詞。若者の関心を高めるため、フリーマーケットを同時開催。旗をなびかせての軽トラパレード!!
(29)東京司法九条の会(裁判所書記官・家裁調査官など)
霞ヶ関の裁判所合同庁舎(地裁・家裁・高裁)内では、組合活動にクレームをつけなかった当局が、九条の会のビラに関しては「勤務時間内の組合活動に当たる」と中止を求めてきたという。職場の雰囲気が判決内容にも影響を与えるので、自由闊達な議論のできる職場をめざしたい。
司法当局が、この運動に抑圧的なのはなぜだ? 立川テント村高裁判決などは、霞ヶ関の総意なのか?
■わたしの感想
○ほぼぶっ続けで三時間も他人の話を聞き続けるのは、ホントウに久しぶりだった。ためになるので、飽きはしなかったが、腰が痛くて、痛くて…。マッサージに行こう!
○これだけ大勢が集まると、日常の活動での孤立感はなくなる。同志という感情も少しは湧いてくる。しかし、みなさん、淡泊だと思う。隣席との交流も控えめだった。
○四日市の問題提起は重要だ。
○一般市民への浸透には工夫を凝らしている。バッジは当たり前という感触。
○政党との関係、支持者の拡大、若年層への浸透に、何処も苦労している。
○運動の主体は、あくまでも自覚的な個人であると感じた。
*商業新聞の扱いは、雀の涙だった。
06.06.12記